■2003/07/13(日)アフロセントリシティ
かつてぼくが、ヒップホップと云えば暴力的で危険なモノという固定観念を持っていた頃。
より正確に云えばデフ・ジャムレーベルからリリースされたLLクールJの『Radio』(85)、Run DMCの『Raising Hell』(86)、ビースティー・ボーイズの『Licensed To Ill』(86)を聴いてBDPやEPMD、エリック・B&ラキムにまではまり込んでいた頃。
ネイティブ・タンの登場は、ぼくのなかの違和感(ぼくの周りに暴力も危険もなかった)を晴らしてくれた。日本でスチャダラパーが登場したことも無縁ではない。そしてデ・ラ・ソウル、ATCQと並ぶネイティブ・タンを代表するジャングル・ブラザーズは、アフリカ回帰(アフロセントリシティ)を強く打ち出していた。
(引用開始)
<ブッシュ大統領>ナイジェリア大統領と会談、リベリア問題協議 (毎日新聞-全文)
2003年7月12日(土)22時51分
【アブジャ(ナイジェリア)佐藤千矢子】アフリカ歴訪中のブッシュ米大統領は12日午前(日本時間同日夜)、最後の訪問国ナイジェリアの首都アブジャで、オバサンジョ大統領と会談し、リベリア内戦の停戦維持に協力して取り組むことを確認した。会談後、ブッシュ大統領は米国の「意欲的」姿勢をオバサンジョ大統領に伝えたと記者団に述べたが、米軍の平和維持部隊を派遣するかどうかは「いつ(決定する)かまだわからない」と明言を避けた。
ブッシュ大統領は会談で、リベリアのテーラー大統領が平和維持部隊の到着後の退陣とナイジェリアへの亡命を受け入れたことについて、オバサンジョ大統領の役割を高く評価し、テーラー大統領に実行を迫った。
さらに西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS、15カ国)や国連と協力して、米国もリベリアの停戦維持に「関与」すると表明した。ただ米軍派兵については、ブッシュ大統領は14日のアナン国連事務総長との会談などを受けて、最終的判断を下す意向だ。
ブッシュ大統領は会談後、人権・経済支援団体の会合で演説し「テロリストがアフリカの人々を脅かしたり、世界を脅かす拠点としてアフリカを利用するのを許さない」と述べ、国際テロ組織アルカイダなどの活動拠点になっている東アフリカ諸国のテロ対策強化に1億ドル(約120億円)の拠出を提案したことや、リベリア、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、スーダン、コートジボワールなどの紛争解決を支援する考えを表明した。
大統領はこの後、アフリカ5カ国歴訪を終えてワシントンに向けて帰国の途に着いた。
[毎日新聞7月12日] ( 2003-07-12-22:51 )
(引用終了)
ブッシュ政権の対アフリカ政策は、対ムスリム・対テロの流れの基調に対フランス(大陸国家の中心)と資源確保を目標とすることはここでも明確になった。
フランスの旧植民地であったサハラ砂漠を横断する西アフリカは、ムスリムが多い。ここをまずリベリア、ナイジェリア、スーダン(ここはとくにアルカイダと関係深い)の線で半包囲することを目論んでいる。
資源確保では石油産出国のナイジェリアと資源の宝庫であるコンゴ民主共和国(旧ザイール)を押さえるのが、実に単純である。アメリカが共和党政権のときは下手な人道の追求とか国益重視への嫌悪感がないので政策の予測がまったくもってわかりやすい。
映画『ブラックホーク・ダウン』の悲劇の舞台となったソマリアは“アフリカの角”で地政学的にはそれなりに重要。やや遠いがスーダン(アルカイダの温床)を考えればわからなくもない派兵だった。が、如何せんクリントン政権の中途半端な人道主義では派兵兵力を渋らせて、みじめな撤退の結果につながる。
かくて人に優しい人道がよい結果をもたらす、と云う固定観念はブラックホークとともに墜落した。
アフリカに植民地のなかったアメリカにとって、今もアフリカは暗黒大陸である。英仏のアドバンテージには遠く及ばない。そう簡単にアフリカ回帰といっても一筋縄ではいかないだろう。